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サカエヤ店主・新保吉伸氏の手当て熟成を経て誕生した草原あか牛プレミアムの赤身肉断面

草原あか牛プレミアム

草原あか牛プレミアムとは?

草原を駆け、野草を食んだ牛が職人の手を経て最高の一皿になるまで

​草原あか牛プレミアムは、草原あか牛を肉のマエストロの「手当て」と、その思いを受け継ぐ料理人の「技術」のバトンリレーで味わいをより進化させた牛肉です。

 

草原あか牛をプレミアムな肉へと育てる「肉のマエストロ」が語るその魅力をぜひ、ご覧ください。

Maestro

肉の可能性を引き上げる─ 草原あか牛プレミアムを生む「手当て」とは?

肉のマエストロ・サカエヤ店主新保吉伸氏が草原あか牛の手当て熟成に向き合う職人の横顔

サカエヤ店主 | 新保吉伸 氏

滋賀県草津市の精肉店「サカエヤ」代表取締役。

 

19歳から精肉業界に入り、26歳で独立。熟成肉づくりの達人としての仕事ぶりがNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で紹介され、大きな話題を呼ぶ。

 

「どんな肉でも旨くする サカエヤ新保吉伸の全仕事」(世界文化社)を出版。

「美味しさを追求するなら、厄介なことをやらないといけない」

――新保吉伸

誤解を恐れずに言えば、僕の目の前に届いたばかりの「草原あか牛」は、まだ美味しさが十分に引き出されていません。何かが足りないのです。

なぜ、足りないのか――「香り」の問題

牛肉の美味しさは、香りにあるんです。例えば、近江牛や松阪牛は脂に香りがついてるから「手当て」は要らない。その差は何かというと、穀物なんです。エサですね。

 

しかし、草原あか牛は圧倒的に穀物の給与量が少ないので、香りが弱い。特に阿蘇の牧野(ぼくや)で飼って野草を食べてるので、その分日本人には馴染みのない味なんです。

 

だから香りをつける作業が必要なんです。このプロセスで「草原あか牛」は「草原あか牛プレミアム」と進化します。

「手当て」とは─骨付きで約30日、肉を"育てる"

僕が「手当て」っていう言葉を使うのは、そこに熟成とか、いろんな肉屋の仕事以外のものを含んでいるからなんです。一般的な精肉店の仕事ではない。だから時間がかかりますね。

 

近江牛とか黒毛和牛だったら、と畜して数日後には販売できる。でも、草原あか牛の場合は、最低1ヶ月ぐらいはかかるんです。

骨付きで約30日間手当て熟成し香りを引き出した草原あか牛プレミアムの赤身肉断面

昔の近江牛のやり方で、枝肉を「枯らす」って言うんですけど、骨付きのまま一ヶ月ぐらいそのままにしとくんですよ。余計な水分を抜いて、微生物がついて、香りをつけるんです。

手当ては骨がないと無理なんですね。肉は骨を外した瞬間から酸化が始まります。骨付き肉は運送も管理も面倒。誰も厄介なことやりたがらない。

 

でも美味しさを追求するなら、厄介なことをやらないと意味がないんです。

牛飼いは「牛」を作るけど、僕は「肉」を作ってる。シェフたちと一緒に「肉」を作ってるんです。

 

僕の役割は美味しくなるための「土台作り」。だいたい60%くらいの完成度まで肉のポテンシャルを引き上げたら、あとは信頼できるシェフにバトンを渡し仕上げてもらいます。

草原あか牛は、他のあか牛とは「別もの」

普通は牛舎で飼ってるあか牛なんですよ。でも「僕らのあか牛」は、自然の中で、牧野で飼ってる。

 

よく言われるんです。「新保さん、この前、あか牛食べましたよ」って。いや、そのあか牛とはまた違うんですよ、ってね。他のあか牛と僕らのあか牛は、全くの別もんです。

 

しっかり手当てしたものを食べた時は食事が終わった後、体が軽いんですよ。罪悪感がない。「健康な肉を食べている」と体で感じてもらえるはずです。

店舗情報

店舗名:サカエヤ

所在地:滋賀県草津市追分南5丁目11−13

電話番号:077-563-7829

営業時間:

10:00-18:00​

定休日:毎週水曜日・最終火曜日

​https://www.omigyu.co.jp/

新保吉伸氏の手当てを経てシェフの冷蔵庫で仕上げを待つ草原あか牛��プレミアム。牛飼いから一皿へのバトンリレー

SPECIAL COLUMN

新保氏へ最高のバトンを渡すために。「骨付き」のままでの発送を担う食肉のプロフェッショナル

滋賀県の名店「サカエヤ」の新保吉伸氏が手がける、草原あか牛の熟成肉「草原あか牛プレミアム」。

 

ここまで読み進めた皆さんは、すでに肉の深い味わいを想像してくださっていることでしょう。

 

このバトンリレーの物語の屋台骨を静かに支える、ある「繋ぎ手」のことを紹介したいと思います。

 

草原あか牛の肉が新保氏の手元に届くその直前、食肉加工の現場を支えているパートナー、熊本県の「株式会社 豊住食肉」です。

 

通常、牛肉の流通において、骨付きのまま発送されることはほとんどありません。部位ごとに骨を外し、小さく分割して箱詰めするのが一般的です。しかし、新保氏は骨付きの状態で「手当て(熟成)」を行います。

 

そのため、同社では新保氏から依頼を受け、骨付きのまま肉を発送しているのです。

 

この手間のかかる発送業務を、黙々と引き受けているのが同社。 取材に応じてくれた専務の豊住錠治氏は、現場での様子をこう語ります。

「モモ肉ともなれば、ひと塊で60キロから70キロにもなります。当然、そんな規格外の肉が入る段ボール箱は既製品には存在しません。

 

だから、毎回段ボールを切ったり貼ったりして、その肉の形に合う箱を手作りするんです。プラモデルみたいにね」

豊住専務はそう言って笑いますが、その作業には細やかな配慮が詰まっています。

 

輸送中に重い肉が動いて傷まないよう、考えて段ボールを継ぎ足し、バンドで何重にも固定する。運送業者が持ちやすいように重心のバランスも図る。衛生管理、輸送コスト、そして受け取る新保氏の作業効率。

 

すべてを考え抜いた「一点物の梱包」ですが、専務はそれを誇ることもありません。

「最初は驚きましたけど、もう慣れましたよ。料理する人には、その人なりの『こだわり』があるはずですから。だったら、こっちはそれに合わせんといかんですもんね」

新保氏は「豊住(食肉)さんは仕事がきちっとしている」と評価しています。

 

しかし専務は「それは前の工程(解体場)が良い仕事をしたから。自分たちはただ分けて詰めるだけ」と、その手柄を自分以外の誰かへ譲ってしまうのです。

 

自らを「ただの中継地点」と位置づけ、当たり前のことを、当たり前にやる。

 

しかし、落とさないように懸命に繋いでくれたそのバトンがあるからこそ、草原あか牛プレミアムは最高の状態で私たちのテーブルへと届くのです。

熊本県宇城市・株式会社豊住食肉の工場。草原あか牛を骨付きのままサカエヤへ丁寧に発送する食肉加工の現場

取材協力

会社名:株式会社 豊住食肉

所在地:熊本県宇城市豊野町糸石35

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