

私たちの思い
草原を「価値」に変え
未来の食卓につなぐために
草原は放っておくと消えてしまう
阿蘇の草原は、自然のままの姿ではありません。野焼きや放牧、採草といった「人の営み」によって、1000年以上もの間、守り継がれてきた風景です。
けれど今、その歩みが止まりかけています。担い手が減り、使われなくなった草原は少しずつその姿を変え、失われつつあるのが現状です。
ただ「守る」だけでは残せない。
私たちは、草原を単なる景観としてではなく、最高の一皿を育む「食の源泉」としてとらえ直し、もう一度、この風景を未来へつなぐ仕組みを作りたいと考えています。


私たちが選んだ答えはあか牛
を一年中、草原で育てること
牛は本来、野山を歩き、草を食べて育つもの。
そんな当たり前の姿を求めて、私たちは一年中、阿蘇の草原であか牛を育てる「周年放牧」を選びました。
屋根のある牛舎はありません。
牛たちは季節ごとの草を食み、雨風や暑さ寒さもすべてを糧に、自然のリズムの中で生きています。
牛が草を食べることで草原が活き、その営みが草原あか牛の肉となる。畜産と草原保全を一つの循環として成立させること。
それが私たちのあか牛の育て方です。

食べることが
草原の維持につながる
牛たちが草原を自由に歩き回ることで、使われなくなった牧野は再び息を吹き返します。
牛が「生きた草刈り機」となることで野焼きの負担も軽減され、草原の維持がより確かなものへと変わっていきます。
私たちが育てた草原あか牛を、あなたが「おいしい」と味わってくださること。
その喜びが草原を守る原動力となり、地域に仕事を生み、持続可能な食糧生産へとつながる。
食べる人が阿蘇の草原の守り手になる。
そんな、誰もが幸せになれる循環をこの地から広げていきます。
誰もが「無理」と言った方法に挑み続ける
周年放牧は、畜産の常識から見れば非常に珍しく、無謀な挑戦に見えるかもしれません。
しかし、私たちの方法は畜産農家の方々が長年培ってこられた農法(慣行農法)を否定するためではありません。日本の食卓を支え続けるその技術と努力には、深い敬意を抱いています。
そのうえで私たちは「もう一つの選択肢」を提案したいと考えています。
誰もが「無謀だ」と言ったこの活動を開始してから10年以上が経ちます。
未だ道半ばであり、毎日が実証実験の連続。課題も山積みですが、得られた知見はいずれ社会に広く公開し、次世代へつなぐことをお約束します。


阿蘇の価値を未来の食卓へ
阿蘇の草原を使い続けることは、この地の豊かな生態系を守り、世界農業遺産としての価値を次世代の子供たちへ受け継いでいくことです。
私たちが実践する周年放牧は、自然と共生し、草原の資源を無駄なく循環させる「持続可能な循環型畜産」のモデルでもあります。
この地でしか出会えない、飾ることのない肉本来の旨みを感動と共にあなたのテーブルへ。
サステナブルな食の未来を阿蘇の草原から共に創り出していくために。
私たちは今日も、牛たちと共に歩みを進めています。
活動の歴史

運営メンバー
一般社団法人
阿蘇のあか牛・
草原牛プロジェクト

代表理事(活動発起人)
橋村 義宣
「牛は草食動物。阿蘇の草を使わないなんてもったいない」との信念のもと、73歳で畜産未経験ながら、年金を投じてオスの子牛2頭を購入し、放牧活動を開始した。
前職の食品会社経営で培ってきた知見を事業戦略や経営判断に生かし、代表として取り組み全体を支えている。

副理事(渉外担当)
内山 彰
一般社団法人設立当初から活動に関わり、代表とともにプロジェクトを推進。本業はシステムエンジニア。
アウトドアやキャンプを通じて阿蘇の草原に親しみ、社会課題としての草原保全に強い関心を持つ。現場理解を土台に、取材対応や外部との調整など対外的な役割を担い、活動を社会につなげている。

理事(放牧技術指導担当)
服部 法文
東海大学農学部にて長年、実習センターの技師として、阿蘇の草原とあか牛の有効利用を目的に周年放牧や親子放牧、放牧肥育に取り組んできた。
定年退職後、これまで培ってきた知見を現場で活かすために本プロジェクトに参画。放牧技術や草地管理の指導を行うとともに、今も現場で草原あか牛の世話に携わっている。